アブ・シンベル神殿(Abu Simbel temples)
エジプトのカイロから南へ1180Km、アスワンからさらに南へ280kmのところにある古代遺跡「アブ・シンベル神殿」。紀元前1300年頃に当時の王・ラムセス2世によって建造された神殿で、世界遺産誕生のきっかけとなった古代遺跡です。
大小2つの神殿からなる岩窟神殿
アブ・シンベル神殿は岩山をくり抜いて造られた大小2つ、ラメセス2世が自らの為に建造した「アブシンベル大神殿」と王妃ネフェルタリの為に建造した「アブシンベル小神殿」からなる巨大な遺跡です。
アブ・シンベル大神殿の入口には高さ約20mの4体のラムセス2世の巨像が刻まれています。左から自身の若い頃から順に年代別に並べられています。
大神殿内部、大列柱室にはラムセス2世のオシリス像が並んでいます。
大列柱室の壁には、戦闘場面などの壁画が描かれています。
最奥部には、神格化したラムセス2世と3体の神々の座像が並んでおり、毎年2月22日頃と10月22日頃に朝日が差し込み、神々が照らされるように計算されているそうです。
こちらは、アブ・シンベル小神殿。入口には6体の巨像が刻まれていて、両端と真ん中の4体がラムセス2世、それに挟まれる形で2体の王妃ネフェルタリの像が鎮座しています。
この神殿が発見されたのが、今から僅か200年ほど前のこと。1813年にスイスの探検家ルードヴィッヒ・ブルクハルトに発見されるまで、およそ3000年もの間、この巨大な遺跡は砂漠に埋もれていたことになります。エジプトの歴史の深さには驚くばかりです。