平安時代末期、京に匹敵するほどの繁栄を誇った平泉。栄華を極めた奥州藤原氏の時代の寺院や庭園、遺跡などが数多く残され、中尊寺や毛越寺、観自在王院跡など5つの文化遺産が、2011年に世界遺産に登録されました。そこで今回は、平泉の人気観光スポットや季節のイベント、地元の名産品などをご案内しながら、岩手県・平泉の魅力をご紹介します。
平泉の人気観光スポット14選
1. 中尊寺
天台宗・東北大本山、奥州藤原氏三代ゆかりの寺として知られています。創建は嘉祥3年(850)に慈覚大師円仁によって開山。藤原清衡が長治2年(1105)から中尊寺の再建に着手、天治元年(1124)に金色堂が竣工されたと伝えられています。建武4年(1337)の火災によって多くの堂塔は焼失しましたが、今なお金色堂、経堂、一字金輪仏坐像など、3000余りの国宝や重要文化財を所有しています。「平泉 – 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の一つとして世界文化遺産に登録されています。
photo by flickr.com/Yoshihide Urushihara
名称 | 中尊寺 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202 |
電話 | 0191-46-2211 |
時間 | (3月1日~11月3日)8時30分~17時/(11月4日~2月末)8時30分~16時30分 |
料金 | (拝観料)大人:800円、高校生:500円、中学生:300円、小学生:200円 |
HP | 中尊寺 |
地図 | Googleマップ |
2. 毛越寺
photo by 岩手県観光協会
慈覚大師によって嘉祥3年(850)に開かれた天台宗別格本山です。平安時代後期に二代・藤原基衡が造営に着手し、三代・藤原秀衡の時代に完成したと言われています。当時の建物は火災で焼失していますが、現在、大泉が池を中心とする浄土庭園が残されており、国の特別史跡・特別名勝に指定されています。また、「平泉 – 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の1つとして世界文化遺産に登録されています。
photo by 岩手県観光協会
名称 | 毛越寺 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58 |
電話 | 0191-46-2331 |
時間 | 8時30分~17時(11月5日~4月4日は16時30分まで) |
料金 | (拝観料)大人:500円、高校生:300円、小・中学生:100円 |
HP | 毛越寺 |
地図 | Googleマップ |
3. 観自在王院跡
photo by 岩手県観光協会
毛越寺に隣接する観自在王院跡(かんじざいおういんあと)は、二代・藤原基衡の夫人が建立したと言われています。「舞鶴が池」を中心に、巨石を積み重ねた荒磯様の石組、洲浜、中島などが点在。観自在王院とは阿弥陀堂のことで、池の北岸に大阿弥陀堂跡・小阿弥陀堂が設けられたことから、極楽浄土を表現した庭園と考えられています。「平泉 – 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の一つとして世界文化遺産に登録されています。
photo by 岩手県観光協会
名称 | 観自在王院跡 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字志羅山地内 |
地図 | Googleマップ |
4. 無量光院跡
photo by 岩手県観光協会
無量光院は、三代・藤原秀衡が京都の平等院鳳凰堂を模して創建したと伝えられています。毛越寺・観自在王院と並ぶ臨池伽藍で、当時は平等院鳳凰堂より規模が大きく壮大な寺院でした。現在でも池跡・中島・堂礎が残され、「平泉 – 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の一つとして世界文化遺産に登録されています。
名称 | 無量光院跡 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字花立地内 |
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5. 金鶏山
photo by 岩手県観光協会
金鶏山は、中尊寺と毛越寺のほぼ中間に位置する円すい状の山。伝説では藤原秀衡が平泉を守るために、鬼門にあたる北上川まで人夫を並べて土砂を運ばせ、一晩で造り上げた山で、そこに雌雄一対の黄金の鶏を埋めたことから、金鶏山という名がつけられたと伝えられています。奥州藤原氏は金鶏山を信仰の山と位置付け、山頂には複数の経塚が造られていました。「平泉 – 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の一つとして世界文化遺産に登録されています。
photo by 岩手県観光協会
名称 | 金鶏山 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町字花立 |
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6. 高館義経堂
photo by 岩手県観光協会
高館は中尊寺の東方にある丘陵で、藤原秀衡を頼って落ち延びた源義経の館があった場所です。頂上には、仙台藩主・伊達綱村公が天和3年(1683)に建立した義経堂があり、堂内には義経の像が祀られています。
photo by 岩手県観光協会
名称 | 高館義経堂 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字柳御所14 |
電話 | 0191-46-3300 |
時間 | (4月5日~11月4日)8時30分~16時30分/(11月5日~4月4日)8時30分~16時 |
料金 | 高校生以上:200円、小・中学生:50円 |
HP | 高館義経堂 |
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7. 達谷窟毘沙門堂
photo by flickr.com/houroumono
坂上田村麻呂が蝦夷討伐の勝利を記念し、京の清水寺を模して毘沙門堂を建立、鞍馬寺にならって108体の毘沙門天を奉ったのが始まりとされています。火災で焼失し、現在は昭和36年に再建されものですが、27体の毘沙門天と、堂の横の岸壁には、前九年の役の後に源義家が彫ったという阿弥陀如来の大摩崖仏が残されています。
photo by 岩手県観光協会
名称 | 達谷窟毘沙門堂 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字北沢16 |
電話 | 0191-46-4931 |
時間 | 8時~17時 |
料金 | 大人:300円、中・高校生:100円 |
HP | 達谷窟毘沙門堂 |
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8. 柳之御所遺跡
photo by 岩手県観光協会
柳之御所遺跡は、初代・藤原清衡が造営を行い、三代・秀衡が再整備を行ったとされる、奥州藤原氏の政治拠点「平泉館」跡の可能性が高いと考えられています。ここから掘立柱建物跡や巨大な堀、国内初の村の印章、中国産陶磁器などが出土しています。現在は柳之御所史跡公園として整備され、池、堀、道路などが復元されています。
名称 | 柳之御所遺跡 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字伽羅楽108-1 |
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9. 柳之御所資料館
柳之御所資料館は、奥州藤原氏の政治拠点「平泉館」跡である柳之御所遺跡から出土された、国内初の村の印章や中国産陶磁器など、貴重な資料を展示しています。
名称 | 柳之御所資料館 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字伽羅楽108-1 |
電話 | 0191-34-1001 |
営業時間 | 9時~17時 |
料金 | 入館無料 |
HP | 柳之御所資料館 |
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10. 平泉温泉 悠久の湯
photo by 岩手県観光協会
平泉温泉は、平成13年に発見された天然温泉で美肌効果が高いのが特徴です。悠久の湯は、大浴場やサウナ、湯上りの休憩室を備える町営の日帰り温泉施設。中尊寺や毛越寺などからも近いので、観光の合間にでも湯あみを楽しむことができます。
名称 | 平泉温泉 悠久の湯 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢1-1 |
電話 | 0191-34-1300 |
営業時間 | 10時~21時 第1、第3火曜日定休 |
料金 | (日帰り入浴料・3時間) 大人:500円、子供:250円 |
HP | 平泉温泉 悠久の湯 |
地図 | Googleマップ |
11. 平泉文化遺産センター
photo by 岩手県観光協会
平泉の文化遺産に関する資料の展示や保存、発掘調査などを行っているセンターです。館内では、平泉の歴史や文化を映像やパネルを使って分かりやすく紹介しています。
名称 | 平泉文化遺産センター |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字花立44 |
電話 | 0191-46-4012 |
営業時間 | 9時~17時(入館は16時30分まで) |
料金 | 入館無料 |
HP | 平泉文化遺産センター |
地図 | Googleマップ |
12. 平泉文化史館
photo by 旅時間
平泉の歴史や文化を紹介する資料館です。毛越寺・無量光院・二階大堂の模型や出土資料、絵図など、数多くの貴重な文化財が展示されています。
名称 | 平泉文化史館 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉坂下10-7 |
電話 | 0191-46-2011 |
営業時間 | 9時~16時 |
料金 | 大人:310円、高校生:150円、小・中学生:100円 |
HP | 平泉文化史館 |
地図 | Googleマップ |
13. 平泉レストハウス
photo by 旅時間
中尊寺参道前の平泉レストハウスは、レストランも併設された複合施設です。漆器や鉄器などの伝統工芸品、地元の銘菓、岩手の特選品など豊富な品揃えで、おみやげ選びにピッタリのお店です。
名称 | 平泉レストハウス |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉坂下10-7 |
電話 | 0191-46-2088 |
営業時間 | (4月~11月)8時40分~17時/(12月~3月)9時~16時 |
HP | 平泉レストハウス |
地図 | Googleマップ |
14. らら・いわて 平泉店
photo by 旅時間
中尊寺参道・月見坂入り口のすぐそばにある「らら・いわて 平泉店」。県内各地の銘菓や工芸品などを豊富に取り揃えています。
名称 | らら・いわて平泉店 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関39 |
電話 | 0191-48-3637 |
営業時間 | 9時30分~17時 |
HP | らら・いわて 平泉店 |
地図 | Googleマップ |
平泉観光に便利な巡回バス
15. 平泉町巡回バス「るんるん」
平泉の観光には、平泉町巡回バス「るんるん」が便利です。平泉町内の主要観光スポットを巡るバスで、1回の乗車が150円、当日に限り何回でも乗り降り自由な一日乗車券も400円で販売されていますので、平泉の観光にぜひご利用ください。
平泉の名産品やご当地銘菓もどうぞ
16. 秀衡塗
photo by 岩手県観光協会
秀衡塗は平安期に藤原秀衡が京都から漆職人を呼び、特産であった金や漆をふんだんに使った椀を作らせたのが起源とされています。「源氏雲」と呼ばれる雲や季節の花草がほどこされ、いくつかの菱形を組み合わせた独特の模様があるのが特徴です。奥州藤原氏の華やかな文化が色濃く反映された平泉の伝統工芸品です。
17. 平泉黄金バウム
奥州藤原氏が栄華を極めた平泉の黄金文化を表現したバームクーヘン。黄金にこだわり、高常商店の「黄金の雑穀」、峰岸ファームの「金しゃり米」、アグリ平泉の「コユキコムギ」、菊地農場の「黄金の里卵」などを使用。周りのコーティングは 食用金箔とパールバウダーで黄金色を表現しています。平泉の新名物です。
18. 瓣慶力餠
大正4年創業の老舗菓子店「吉野屋」。吉野屋の代表銘菓「弁慶力餅」は、怪力の持ち主だったと伝わる武蔵坊弁慶にちなんで作られたくるみゆべし。くるみの風味となめらかな食感が特徴で、創業以来地元で愛され続けてきた平泉銘菓です。
平泉の伝統の祭りや季節のイベント
19. 春の藤原まつり
photo by 岩手県観光協会
藤原氏三代の栄華を再現した様々な催し物が開催される「春の藤原まつり」。なかでも、3日に開催される「源義経公東下り行列」は、兄頼朝より逃れた義経が平泉にたどり着いたとき、藤原秀衡に温かく出迎えられ、民衆も歓喜したという情景を再現しています。毎年、義経役には人気芸能人が扮し、弁慶ら武者、侍女など総勢100名を超える一行が毛越寺から中尊寺までの道のりを練り歩きます。そのほか、稚児行列・郷土芸能・弁慶力餅競技大会など、さまざまな催しが行なわれます。
photo by 岩手県観光協会
名称 | 春の藤原まつり |
日程 | 毎年5月1日~5月5日 |
会場 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉 |
20. 毛越寺曲水の宴
photo by 岩手県観光協会
「毛越寺曲水の宴」は、平安時代の宴を再現したもので、平安貴族の装束に身を包んだ歌人が遣水(やりみず)に盃を浮かべ、その流れに合わせて和歌を詠む優雅な遊びです。遣水とは山水を池に取り入れるための水路で、平安時代の遺構を利用して平安時代の優雅な文化が現代に蘇ります。
photo by 岩手県観光協会
名称 | 毛越寺曲水の宴 |
日程 | 毎年5月第4日曜日 |
会場 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58 毛越寺 |
21. 毛越寺あやめまつり
photo by 岩手県観光協会
毎年6月20日~7月10日の日程で開催されいる「毛越寺あやめまつり」では、300種・3万株の花しょうぶを楽しむことができます。まつり期間中の土・日には餅つき体験や撮影会、写生会などのイベントや国指定重要無形民俗文化財に指定されている「延年の舞」の公演なども行われます。
photo by 岩手県観光協会
名称 | 毛越寺あやめまつり |
日程 | 毎年6月20日~7月10日 |
会場 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58 毛越寺 |
22. 平泉水かけ神輿
photo by 岩手県観光協会
沿道から清めの水を大量に浴びながら、神輿が観自在王院跡から中尊寺金色堂までの道のりを豪快に練り歩きます。
名称 | 平泉水かけ神輿 |
日程 | 毎年7月中旬 |
会場 | 岩手県西磐井郡平泉町内 (観自在王院跡−毛越寺−平泉駅−中尊寺) |
23. 平泉大文字送り火
photo by 岩手県観光協会
毎年8月16日に藤原四代や義経主従の追善、太平洋戦争の戦没者、先祖代々の精霊供養のために大文字焼きが行われます。中尊寺本堂の「不滅の法燈」から受けた火を束稲山まで運び、約100メートルの「大」の字が浮かび上がります。
名称 | 平泉大文字送り火 |
日程 | 毎年8月16日 |
会場 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉 束稲山 |
24. 毛越寺萩まつり
photo by 岩手県観光協会
秋になると毛越寺浄土庭園のほとりは、萩の花で染まり、美しい趣を添えます。境内にはミヤギノハギ、シノバナハギ、ヤマハギの3種類500株が植えられており、赤紫色の萩の花が境内を彩ります。萩まつりの期間中は、琴や尺八の邦楽演奏会や茶会、延年の舞も披露されます。
名称 | 毛越寺萩まつり |
日程 | 毎年9月15日~9月30日 |
会場 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58 毛越寺 |
25. 中尊寺菊まつり
photo by flickr.com/Dao-hui Chen
岩手県内の菊愛好者らが丹精込めて育てた菊の大輪や盆栽菊など、約500株の菊が飾られます。秋の紅葉の時期と相まって、鮮やかに境内を彩ります。
photo by flickr.com/Dao-hui Chen
名称 | 中尊寺菊まつり |
日程 | 毎年10月20日~11月15日 |
会場 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202 中尊寺 |
26. 秋の藤原まつり
photo by 岩手県観光協会
「秋の藤原まつり」は、奥州藤原氏の追善法要から始まり、期間中は、平泉町内で様々な催しが行われます。中尊寺では稚児行列をはじめ、境内能楽堂で「中尊寺能」が奉納され、毛越寺の浄土庭園では、優雅な「延年の舞」が舞われます。その他、中尊寺・毛越寺の境内で郷土芸能の鹿踊りや神楽なども披露されます。
photo by 岩手県観光協会
名称 | 秋の藤原まつり |
日程 | 毎年11月1日~11月3日 |
会場 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉 |
27. 毛越寺二十日夜祭
photo by 岩手県観光協会
毛越寺で行なわれる「常行堂二十日夜祭」は、850年前の平安期に始まったとされる伝統行事。無病息災や豊作を願って、献膳行列が平泉駅から毛越寺までを練り歩きます。法要後に常行堂内で奉納される「延年の舞」は、重要無形民俗文化財に指定されています。
名称 | 毛越寺二十日夜祭 |
日程 | 毎年1月20日 |
会場 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58 毛越寺 |
最後に
中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山で構成される世界遺産は必見ですね。時代を感じる毛越寺曲水の宴や、春と秋に開催される藤原まつりなども、時期をあわせて訪れたいイベントです。岩手・平泉へ観光に行く際には、是非参考にしてみてください。