気候や地形の影響で様々な姿をみせる雲。今回は、世界で目撃されたスゴイ雲を5つ、ご紹介します。
モーニング・グローリー/オーストラリア
モーニング・グローリーとは巨大なロール状の雲が、帯のようになって流れる気象現象です。ごく稀な現象ですが、世界各地で目撃され、オーストラリアの北東部で最も多く観測されています。原因は特定されていませんが、オーストラリアのモーニング・グローリーの場合、海風と陸風が衝突してできる前線により大気に循環が生じて、このような雲が発生すると言われています。
傘雲 /シャスタ山(アメリカ)
傘雲(かさぐも)は富士山のように単独でそびえ立つ山の山頂付近に現れる、山に傘をかぶせた形の雲。湿った空気が山にあたって上昇気流が生まれ、山を越えると水蒸気が冷やされてできるそうです。ことわざで「富士山が笠をかぶれば近いうちに雨」とあるように、傘雲が発生すると雨が降ると言われています。
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穴あき雲 /オーストラリア
空一面に広がる雲の中で、ぽっかり丸い穴があいている「穴あき雲」と呼ばれる珍しい現象。2層以上の雲が重なって上空を覆う中、一部の雲粒が凍結されて、上層雲から氷の粒が落下することで、このような現象が起きるそう。
吊るし雲 /富士山(日本)
コマやUFO、ブーメランのようなユニークな形をした「吊るし雲」は山の風下方向にできる雲。傘雲ができる条件のように、気流が山を越える時にできた雲が、吹き付ける強い風の影響で巻き上げられて発生します。傘雲と同様、吊るし雲が発生すると雨が降ると言われ、河口湖観測所によると24時間以内に雨が降る確率は80%以上だとか。
彩雲(さいうん)/アメリカ
彩雲は太陽の近くにある雲が虹色に色づく現象です。太陽の光が雲に含まれる水滴に回折して起こる現象で、光の波長によって赤、青、オレンジ、黄色と美しい色彩が生まれます。