山形の名物といえば、何を思い浮かべるでしょうか?山形には、豊富な山の幸・海の幸を生かした郷土料理や、日本屈指のラーメン消費量を誇る山形のご当地ラーメン、山形県民にお馴染みのお菓子など、山形自慢の美味しい名物が盛りだくさん!今回は、山形県の名物ご当地グルメを15個、ご紹介します。
山形名物を食べる!伝統の郷土料理
1. いも煮
photo by 山形県
山形の秋の風物詩として知られる「いも煮」。里いも、牛肉、ねぎ、こんにゃくなどの具材を鍋で煮込んだ山形を代表する郷土料理です。芋煮の歴史は古く、誕生は今から350年程前の江戸・元禄時代に遡ります。当時、船頭たちが鍋を囲み、船着き場付近の名産であった里芋や積荷の棒ダラなどを煮込んで食べていたのがルーツだと言われています。棒ダラのかわりに牛肉を使い始めたのは昭和初期頃からなんだそう。地域によって、味付けが異なり、内陸地方では醤油味、庄内地方では味噌ベースの芋煮が作られています。毎年9月になると、山形市では「日本一の芋煮フェスティバル」が開催され、6mもの大鍋で作られた芋煮が振舞われるイベントが行われています。
取扱店 | 山形いも煮センター カワサキヤ(山形市)、米沢牛黄木 牛鍋おおき(米沢市)、いのこ家 山形田(山形市)ほか |
HP | 山形いも煮センター カワサキヤ、米沢牛黄木 牛鍋おおき、いのこ家 山形田 |
2. どんがら汁
photo by 山形県
「どんがら汁(寒ダラ汁)」は、庄内の冬の味覚「寒ダラ」を使った鍋料理。「どんがら」とは、「魚のあら」という意味で、身はもちろん、骨や内蔵も豪快に鍋に入れ、岩のりやネギなどの野菜とともに煮込んで作られます。白子や肝臓などを一緒に煮込むことで、旨味とコクが増し、深みのある味わいが楽しめます。現在でも、寒ダラが旬を迎える1月から2月にかけて家庭で作られている、庄内地方に伝わる郷土料理です。
取扱店 | 割烹 治郎兵衛(酒田市)、旬味 井筒(酒田市)、割烹 飯豊(山形市)ほか |
HP | 割烹 治郎兵衛、旬味 井筒 |
3. 玉こんにゃく
photo by 山形県
「玉こんにゃく」とは、スルメを入れた醤油とだしでじっくり煮込んだ球状のこんにゃくのこと。「玉こん」の愛称で親しまれている山形のソウルフードで、こんにゃくを串に刺して、練りからしをつけて食べるのが一般的です。中国から「宝珠山立石寺(ほうじゅさん りっしゃくじ)」(通称 山寺)に伝わったこんにゃくが、精進料理として食べられるようになり、次第に県内一帯に広がったと伝えられています。山寺の本殿へ行くには、1015段の階段を登らなくてはならないため、その前に玉こんにゃくを食べて力をつけるんだそう。山寺の「力こんにゃく」と呼ばれ、山寺名物となっています。
取扱店 | 丹野こんにゃく番所(上山市)、酒菜一(山形市)、山寺 門前売店(山形市)ほか |
HP | 丹野こんにゃく番所、酒菜一 |
4. だし
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「だし」とは、きゅうり、なす、みょうが、大葉などを細かく刻み、醤油などで味付けしたもの。山形県内陸部に伝わる夏を代表する郷土料理です。温かいご飯の上に乗せて食べるのが一般的ですが、豆腐や納豆、そうめんの薬味、調味料の1つなど、様々な食べ方が楽しめます。
取扱店 | 花膳(山形市)、山形長屋酒場(山形市)ほか |
HP | 花膳、山形長屋酒場 |
5. 米沢牛料理
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「米沢牛」は、松阪牛・神戸牛とともに、日本三大和牛の1つに数えられる山形が誇るブランド牛。山形の豊かな自然の中で育った米沢牛は、きめの細かい肉質と霜降りの美しさが特徴で、高度な飼育技術により最高級の品質が維持されています。本場・米沢市内には、米沢牛の有名店から、比較的リーズナブルなお値段で楽しめるお店まで数多くあり、ステーキやしゃぶしゃぶなど多彩な米沢牛グルメが堪能できます。
photo by 山形県
取扱店 | 米澤牛DINING べこや(米沢市)、米沢牛亭 ぐっど(米沢市)、米沢牛 登起波(米沢市)ほか |
HP | 米澤牛DINING べこや、米沢牛亭 ぐっど、米沢牛 登起波 |
6. 納豆汁
photo by 山形県
「納豆汁」は、冬の貴重なタンパク源として、山形県の内陸部で古くから親しまれてきた郷土料理です。納豆をすり潰してだし汁になじませ、豆腐・油揚げ・こんにゃく・キノコ・山菜などの具材を沢山入れて、味噌で味付けをして作ります。山形では、里イモの茎を干して作る「いもがら」を入れるのがポイントです。村山エリアでは七草の時期に、最上エリアでは正月に食べる風習があり、こと寒い日には欠かせない料理です。
photo by 山形県
取扱店 | いのこ家 山形田(山形市)、旬味 井筒(酒田市)、千歳館(山形市)ほか |
HP | いのこ家 山形田、旬味 井筒、千歳館 |
山形のソウルフード!山形名物のご当地グルメ
7. 米沢ラーメン
photo by 山形県
ラーメン激戦区の山形県。山形ラーメンの代表格「米沢ラーメン」は、多加水麺を手もみし、数日熟成させて作る細打ちのちぢれ麺に、鶏ガラと煮干しをベースとしたあっさりスープを合わせた米沢市のご当地ラーメン。発祥は、今から100年程前に、数人の中国人がチャルメラを吹きながら、屋台で売り歩いていた支那そばだと言われています。米沢市内だけでも、米沢ラーメンを提供するお店が100軒以上もあり、各店、独自のメニューを取り揃えているので、食べ比べしてみるのも楽しいですね。
取扱店 | 熊文(米沢市)、かわにし食堂(米沢市)、山大前 やまとや(米沢市)ほか |
HP | 山大前 やまとや |
備考 | 米沢麺業組合 |
8. 冷やしラーメン
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「冷やしラーメン」は、氷を浮かべた醤油ベースのあっさり冷製スープに、冷水で締めたコシのある麺を合わせた山形市発祥のご当地ラーメンです。今から60年ほど前に、市内にあるラーメン店「栄屋本店」の店主が、常連客から「暑い夏に、冷たいラーメンが食べたい」とのリクエストを受けて考案したのが始まりです。特に、暑い夏に食べたくなる、ラーメン好きの山形県民に愛される名物グルメです。
取扱店 | 栄屋本店(山形市)、鬼がらし本店(山形市)、修ちゃんラーメン(山形市)ほか |
HP | 栄屋本店、鬼がらし |
9. 蔵王ジンギスカン
photo by kankou.yamagata.yamagata.jp
ジンギスカンといえば、北海道を思い浮かべますが、ジンギスカン鍋で焼いて食すという食文化は、山形県の蔵王地区が発祥とされています。蔵王地区は、もともと綿羊飼育が盛んに行われており、羊肉を使った焼肉が親しまれていました。昭和初期頃に、モンゴルの鉄兜で焼く羊料理を参考に、山形の鋳物技術で専用の鉄鍋を作ったのが始まりと言われています。余分な脂を落として美味しく焼いたお肉に、甘辛い濃厚タレをつけていただきます。
取扱店 | ジンギスカンロッジ(山形市)、ジンギスカン・シロー(山形市)、食事処きくち(山形市)ほか |
HP | ジンギスカンロッジ、ジンギスカン・シロー |
10. 酒田ラーメン
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「酒田ラーメン」は、もちもち、ツルツルとした食感のちぢれ麺に、煮干しや昆布などからとったあっさり魚介系スープを合わせた正統派醤油ラーメン。全国の自家製麺率の平均が2割ほどのところ、酒田ラーメンは8割超あり、自家製麺率の高さが、最大の特徴です。原料の配合、麺の揉み方、熟成方法など、各店、独自の製法で作る麺のバリエーションも酒田ラーメンならでは。自家製ワンタンを使ったワンタンメンを出すお店も多く、老舗店から新進気鋭の人気店まで、多様なラーメン店が日々しのぎを削っています。
取扱店 | 花鳥風月 酒田本店(酒田市)、満月(酒田市)、三日月軒 駅東店(酒田市)ほか |
HP | 花鳥風月、満月 |
備考 | 酒田のラーメンを考える会 |
11. 東根おこふ
東根市は、江戸時代からの伝統製法を守る日本屈指の麩の生産地です。「東根おこふ」は、東根特産の六田の焼き麩を使ったお好み焼き。焼き麩を水に戻して、醤油・ニンニク・生姜などで味付けし、油で揚げたものを豚バラの代わりに使用。お好み焼きのように重ね焼きし、さくらんぼのお好みソースをかけていただきます。東根市が誇る特産品「焼き麩」と「さくらんぼ」を活かした東根市ならではのB級グルメです。
取扱店 | コーヒー屋おおもり(東根市)、割烹 多茂登(東根市)、文四郎麩 六田麩懐石料理処 清居(東根市)ほか |
HP | コーヒー屋おおもり、割烹 多茂登、文四郎麩 六田麩懐石料理処 清居 |
備考 | 東根風お好み焼きおこふ宣隊 |
12. 鳥中華
photo by 山形県
「鳥中華」は、鰹ベースの和風だしに、中太のちぢれ麺を絡ませ、鶏肉・天かす・海苔・ネギをのせたお蕎麦屋さんのラーメン。天童市にある老舗そば屋「水車生そば」のまかない料理から生まれたご当地ラーメンです。鳥中華は、2010年に行われたB-1グランプリで6位入賞を果たし、一躍有名になりました。お蕎麦屋さんならではの優しい和風だしのスープがたまらない名物グルメです。
取扱店 | 水車生そば(天童市)、肉そば鳥中華 ざぶん(山形市)、寿々喜そば屋(山形市)ほか |
HP | 水車生そば、肉そば鳥中華 ざぶん |
山形県民にお馴染みの味!山形名物の郷土菓子・おやつ
13. どんどん焼き
photo by 山形県
「どんどん焼き」とは、箸でぐるぐる巻きにしたお好み焼きのようなもの。「どんどん焼き」は、もともと、大正時代に東京の下町で親しまれていたもので、どんどんと太鼓を鳴らして販売したことからその名が付いたと言われています。戦前、大場亀吉氏が、東京から山形に持ち帰り、子供が食べやすいように、箸で巻いたスタイルにアレンジして山形市内を売り歩きし、定着していったんだそう。山形では、おやつの定番として親しまれており、イベントやお祭り屋台の人気メニューとなっています。
取扱店 | どんどん焼き おやつ屋さん(山形市)、どんどん焼きの店 山形どんどん(山形市)、どんどん焼き食い処 けやき(山形市)ほか |
HP | どんどん焼き おやつ屋さん |
14. オランダせんべい
「オランダせんべい」は、山形県民なら誰でも知っている塩味の薄焼き煎餅。庄内産のうるち米を100%使用し、沖縄県産の塩で味付けしています。「私たち」という意味の「おらだ」という庄内の方言から名づけられたお菓子で、発売から50年以上にわたり愛され続けています。山形県内を中心に東北地方限定で販売されており、食べ始めると、止まらなくなる美味しさ!小さなお子様からご年配の方まで、幅広い層に人気を誇るお煎餅です。
取扱店 | 酒田米菓(酒井市) |
HP | 酒田米菓 |
15. くじら餅
photo by 山形県
「くじら餅」は、米粉に砂糖を加えて蒸し上げた餅菓子。新庄市周辺の最上地方に伝わる伝統菓子です。今から300年程前、新庄藩の3代目藩主・戸沢正庸(とざわまさつね)の時代に兵糧食として用いられたのが始まりと伝えられています。名前は、保存が効く、久しく持つ良い餅「久持良餅(くじらもち)」から由来するという説や海のない最上地方の方が、餅の見た目からくじらを連想して名づけたなど、諸説あるそう。現在でも、旧暦の桃の節句(4月3日)には、雛菓子とともにくじら餅を供える風習があり、春の訪れを祝ってくじら餅が食べられています。
取扱店 | たかはし(新庄市)、深田菓子店(新庄市)、佐藤菓子店(最上市)ほか |
HP | たかはし、佐藤菓子店 |